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クリスチャン・ウェルズと語るアミノ酸特集

Chris Wells, Croda Pharma今週は、アミノ酸について理解を深めるために、アプリケーションチームリーダーのクリスチャン・ウェルズ氏とお話ししました。






バックグラウンドについて教えて頂けますか?

私はクローダに入社しては約9年になります。その間、主に医薬品添加剤の製品群を研究し、製剤中での製品の働きや特性を調べてきました。クローダでのキャリアでは、新規添加剤の開発、脂質の製造サポート、ならびにAPIと医薬品添加剤の安定性評価に取り組んでおり、特に吸入製剤・鼻腔用製剤向け添加剤に注力してきました。Crodaに入社前はダラム大学で化学の学位を取得しました。 現在は、英国を拠点のチームの一員として、API・添加剤の安定性評価から、お客様が抱えている製剤課題への対応まで、幅広い業務を携わっています。

なぜアミノ酸は、今日の製薬業界で重要視されているのですか?

アミノ酸は天然由来の化合物であり、さまざまな医薬品に使用されています。小分子・ペプチド・タンパク質の構成物質のほか、バイオ医薬品の製造工程でも重要な働きをし、最終製剤では緩衝剤や安定化剤として利用されています。このように、とても用途が幅広いのが特徴です。さらに、アミノ酸は天然由来で安全性が高いことから、医薬品の溶解性、安定性、バイオアベイラビリティを向上させるメリットがあります。アミノ酸は共通して同じ基本構造(α-カルボキシル基、α-アミノ基、側鎖)を持っていますが、側鎖の種類はシンプルなものから複雑なものまでさまざまです。この側鎖の違いによって幅広い特性がうまれ、用途に応じて使い分けができるのも大きな魅力です。

たとえば、バイオ医薬品のAPIを製造する際には、L-アルギニン、L-ヒスチジン、それらの塩類などが細胞培養培地で広く使用されており、細胞の成長や維持に役立っています。その主な役割は、モノクローナル抗体、組換えタンパク質、ウイルスベクターなどのタンパク質バイオ製造過程における細胞代謝の窒素源として機能することです。 例えばL-アルギニン塩酸塩は、大腸菌などの細菌発現系における組換え体生産時、タンパク質の再折り畳みを促進する重要な役割を果たします。タンパク質はしばしば誤って折り畳まれ、不溶性凝集体を形成しますが、L-アルギニン塩酸塩はこれらのタンパク質を可溶化し、生物学的に活性な構造へ再折り畳むのを助けます。

これらの特性は、アルギニン/ヒスチジンを緩衝剤、液体および凍結乾燥剤形におけるタンパク質安定剤、ならびに高濃度タンパク質製剤における粘度低下剤として使用する最終製剤にも見られます。

アミノ酸をバイオプロセスや製剤化に使用する際の主な課題は何ですか?

前述の通り、アミノ酸は医薬品開発プロセス全体で幅広い用途がありますが、その使用にはいくつかの課題が伴います。その一つが、不純物がアミノ酸の性能や有効性に与える影響、そしてバイオプロセスや製剤に与える影響です。 金属不純物は細胞培養培地の性能や製剤安定性に影響を与えることが知られています。細胞培地においては、微量元素が細胞増殖、タンパク質発現、糖鎖付加、そしてタンパク質品質に影響を与えることが分かっており、これらの元素濃度がわずかに変化するだけでも、最終製品の品質に大きな影響が生じる可能性があります。最近、「USP-NF <1023> 組換え治療用タンパク質製造に使用される細胞培地中の微量元素の評価戦略」が発行され、鉄、銅、マグネシウム、亜鉛など、細胞生存率や製品品質に影響を与える金属が特定されました。これらの金属は、細胞培地中に含まれるアミノ酸など、 さまざまな数多くの供給源から持ち込まれる可能性があります。 プロセスやバイオ医薬品の組成によって、これらの各元素が細胞培地の性能に与える影響は異なります。

これらの不純物の影響は細胞培養に限られません。製剤安定性にも影響を与えることがわかっており、鉄や銅などの金属は酸化反応を触媒し、タンパク質の分解や凝集や、医薬品中のポリソルベートなどの添加剤の安定性に影響を与える可能性があります。

アミノ酸製品中のこれらの微量金属を最小限に抑えることは、医薬品パイプライン全体におけるロット間一貫性の確保につながります。これは細胞培養培地の効率から最終医薬品の有効性に至るまで影響を及ぼします。

クローダ ファーマはこれらの課題を克服するために何をしていますか?

クローダでは、前述の課題を克服し、規制当局の要求にも応えるため、金属含有量を低減し、エンドトキシンが低い高純度アミノ酸シリーズを開発しています。 これらのアミノ酸(初期段階ではL-アルギニンおよびL-ヒスチジンならびにそれらの塩酸塩に焦点を当てています)は、バイオ製造および製剤分野で幅広い用途があり、金属含有量の低減により、ロット間の均一性の向上、規制順守レベルの達成、タンパク質収量の向上、最終製剤における不安定性リスクの最小化が期待されます。 

これらのアミノ酸ベース製品に加え、クローダは高純度添加剤およびバイオプロセス補助剤のラインナップを提供しており、アミノ酸製品群を補完することで、製品・ソリューションの幅広い提供を実現します。これらの高純度添加剤の組み合わせは、最終医薬品および製造工程における不純物由来のリスク軽減を目指します。

クローダファーマは現在どのような取り組みをしていて、何か応用例を共有いただけますか?

アミノ酸がカバーする応用分野は非常に幅広いため、不純物の低減が大きな影響を及ぼすことがわかっている主要な領域に注力しています。そのためL-アルギニンおよびL-ヒスチジンの細胞培地における使用、ならびに金属不純物やその濃度が細胞生存率に与える影響を分析しています。 さらに、高い感度が求められる製剤におけるアミノ酸の応用についても評価を進めています。これには、微量のコンタミネーションがタンパク質構造に影響を与える可能性のあるバイオ医薬品製剤が含まれています。また、アミノ酸とポリソルベートなど現在市販されている添加剤との相性・適合性も理解を深めています。

業界におけるアミノ酸の今後の展望は何でしょうか?

前述したいくつかの課題に加えて、溶解性や安定性が低いアミノ酸に注目が集まっています。これらの課題は、目的とする細胞へのバイオアベイラビリティや製剤中での有効性に大きく影響を与える可能性があります。 こうした問題を克服するため、安定性・溶解性・全体的な性能を改善する目的で、ミノ酸構造の改変する研究が進められています。アミノ酸の構造修飾は、細胞培養に必要な構成要素を提供しつつ、培地原料の効率を大幅に改善できる可能性があります。さらに、さまざまな剤形や投与経路に対応するため、異なるアミノ酸に対する関心も高まっています。例えばL-ロイシンは、吸入剤や鼻腔用の噴霧乾燥製剤で、シェル保護剤として広く活用されています。 

あなたの知られていない一面を教えていただけますか?

私は、現在はカントリーバンドを演奏しており、さらにゴルフコースでは自分のボールを探すのに多くの時間を費やしています。

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