核酸デリバリープラットフォーム

核酸ベースの治療薬とそのメリット

核酸は遺伝暗号の構成要素であり、その主な役割は、生物システム内で遺伝物質を貯蔵・処理することです。デオキシリボ核酸（DNA）とリボ核酸（RNA）に分類されます（1）。核酸は長い間、遺伝子の発現抑制、編集、置換を通じて、感染症、タンパク質や遺伝子の欠損、さらにはある種のがんを治療し、医療に革命をもたらす将来性を認められてきました。現在の多くの従来療法とは異なり、核酸は、疾患の根本的な原因を標的とすることで治癒効果や持続的効果をもたらす潜在的な可能性があります（2）。

核酸が感染症を治療する能力は、Covid-19パンデミックに対するクローダとAvantiが達成したことが証明しています。

Covid-19への対応における脂質－クローダとAvantiはどのように協力したか

Croda PharmaとAvantiの業績について、両社がいかに協力して困難を乗り越えたかについてご紹介します。2020年のパンデミックでは、Avantiの脂質に関するノウハウとクローダの製造・スケールアップ能力を組み合わせることで、Covid-19パンデミックへの迅速な対応が可能になりました。

この機会をとらえ、かつてないスピードで規模を拡大したことで、我々は、Covid-19ワクチンに不可欠な脂質成分をグローバルな規模で供給する最初の企業となりました。

パンデミック初期の数カ月間、主要なワクチンを実現するには、4つの主要な脂質が必要でした。これら4つの成分は、クライアントがCovid-19との闘いでできる限り迅速に行動できるよう、早急にスケールアップする必要がありました。主要な課題のひとつは、Avantiが4つの主要脂質のうち3つしか大規模生産できないことでした。そこで、クローダの施設が、4つ目の重要な脂質のスケールアップ製造施設とされました。救命ワクチンの提供という挑戦に立ち向かった両施設は、24時間体制で稼働し、2年規模のプロジェクトをわずか6カ月で遂行しました。これは我々にとって、コラボレーションの力と、Smart science to improve lives™というクローダの目標を掲げる私たちが何を達成できるかを浮き彫りにする出来事でした。

Covid-19ワクチンへの脂質の供給は、Steve Foots CEOのキャリアの中で「最も誇らしい瞬間」と讃えられています。この思いは、Covid-19との闘いを共にしたクローダとAvantiの多くの同僚も同じです。この取り組みはまた、CPhI Pharma Awards 2022の「Covid-19に対するイノベーション」のファイナリストにノミネートされ、India Biologics & Vaccines Outstanding Industry Awards（BVOIA）2022の「2022年のCOVID-19ワクチン開発におけるベストサプライヤー」の受賞にもつながりました。また、社会貢献に対して、American Chemical Councilのサステナビリティリーダーシップ賞も受賞しました。この賞は、Covid-19ワクチンの臨床開発と展開を促進したAvantiの脂質ナノ粒子技術に関する業績に対して、クローダに授与されました。最後に、Avantiの施設は「Alabama Manufacturer of the Year」の最終選考にも残りました。

引用：

1. Buckley, G. (2021) Nucleic acid - definition, function and examples, Biology Dictionary. 以下で閲覧可能：https://biologydictionary.net/nucleic-acid/（アクセス：2022年11月15日）
2. Kulkarni, J.A. et al. (2021) “The current landscape of Nucleic acid therapeutics,” Nature Nanotechnology, 16(6), pp. 630–643. 以下で閲覧可能：https://doi.org/10.1038/s41565-021-00898-0