Avanti™ DMPC

1,2-dimyristoyl-sn-glycero-3-phosphocholine (DMPC)

DMPCは、グリセロホスホコリンのsn-1位およびsn-2位に炭素数14の飽和アシル鎖を2本有する合成リン脂質です。このリン脂質は、相転移温度(約23℃)を有することから、膜生物物理学、リポソーム製剤、ならびに脂質ベースのドラッグデリバリーシステムにおいて定番の脂質として広く利用されていますらに、明確なサーモトロピック挙動を示すため、制御された環境下における生体膜のモデリングや相転移の理解に適した脂質でもあります。

DMPCは、親水性および疎水性の薬物を内包し、制御された放出とバイオアベイラビリティを確保する目的で、リポソーム型薬物送達システムに広く使用されています。また、脂質二重膜、相転移、ならびに膜タンパク質との相互作用の研究において重要であり、細胞膜の生物物理学的モデリングを支援する脂質として不可欠です。さらに、DMPCは免疫応答を高め、標的抗原の送達を促進することから、脂質ベースのワクチンアジュバントにおいて重要な構成要素となっています。

脂質システムは、疎水性、親水性、ならびに両親媒性の有効成分(API)を送達するための汎用性の高い選択肢です。当社が提供するホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール脂質は、幅広いデリバリーシステムに対応できるよう、多様な物理的特性を有する化合物を提供することを目的として設計されています。